desiner’s profile

IMGP0444

designer: Teruaki Tanaka

デザイナー 田中 輝明

京都府宇治市出身。
日本有数の家具の産地である岐阜県高山、北海道旭川において家具設計・製作の経験を積む。
2010年に出身地である京都府宇治市にて独立、木製家具を中心としたモノづくりを行っている。

history

2005年
木の国デザイン展(岐阜)審査員特別賞受賞
「redesign ダイニングチェア」
2006年
飛騨木工連合会最優秀賞 「思索空間」

thoughts

家具は、我々の日常生活を支え、快適に、豊かにしてくれる大切な道具です。
中でも、木製の家具を好む人は多くおられます。
木材は、他の材料にはない生命感を持っており、「共に居る」という感情を持たせてくれます。
毎日顔を合わせ、愛着をもって使用するモノの材料として最適といえるでしょう。
しかし、私たちはそこで「共に居る」という感情を自然環境にも向けなければなりません。
モノの材料として木はあまりにも乱伐され、今や世界的に危険な状態の樹種がたくさんあります。

競争原理の中で質的にほぼ同水準のモノが溢れる中、カタチや色といった外観的要素や単なる数字的な指標としての価格がモノを判断する中心基準となってしまってはいないでしょうか。
その結果、モノはあまりにも人の嗜好性に支配され、材質的あるいは構造的な寿命とは別の、それらよりもずっと短い寿命を強いられているような気がします。
このため、例えば何百年という樹齢をもつ木が、人の生涯よりもはるかに短い寿命しかないモノの材料として伐採されるということになります。

私たちは、もっと自然環境と共に生きることを意識しなければなりません。
自然のバランスを崩さず、自然の循環の範囲内で自然を利用する。これは、結局は私たち人間が生きるために必ず必要なことです。
人とモノと自然環境が「共に居る」ための取り組みがこれからのモノづくりにとって最も大切なことだと私は考えます。

木の命をもらってモノづくりをしようとする上で、木を大切にしたいという思いは矛盾するかもしれません。
しかし、この矛盾の上にこそ人と自然環境の問題に係る何らかの答えを見出せるのではないでしょうか。
私は、家具づくりの世界の中で、人とモノと自然環境の美しい共生のために取り組みたいと思っています。
人も自然環境も、共に豊かでありますように。